だれか、この憎しみを止めてくれ。
【制作】:Netflix、スタジオM2
【原題】:『PULUTO』
【配信開始】:2023年10月26日
【話数】:全8話
【年齢制限】:13歳以上
【おススメ度】:
【原作】
・『PLUTO』
【原作者】
・浦沢直樹×手塚治虫
【監修】
・手塚眞 協力/手塚プロダクション
(小学館 ビッグコミックス刊)
【監督】
・河口俊夫
【クリエイティブアドバイザー】
・浦沢直樹
【アニメーション制作】
・スタジオM2
【キャスト】
・藤真秀
・日笠陽子
・鈴木みのり
・安元洋貴
・山寺宏一
・木内秀信
・小山力也
・宮野真守
・関俊彦
『PULUTO』とは
『PULUTO(プルートゥ)』は2023年10月26日より「Netflix」にて独占配信が開始されたSFミステリーサスペンスアニメ。
「人間」と「ロボット」が共存する未来の世界を舞台に、各国を代表する世界最高水準の「7大ロボット」を狙う連続破壊事件が発生。その謎の事件を高性能刑事ロボット・「ゲジヒト」が追うなかで、やがて地上最大のロボットを巡る真実に驚愕するというストーリー。
原作は『鉄腕アトム(1952年~1968年)』に登場する「地上最大のロボット(1964年~1965年)」という名作エピソードを「浦沢直樹」が新解釈を加えてリメイクした漫画作品。
(2003年~2009年まで『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて連載。)
「第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞」、「平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」、「第41回星雲賞コミック部門」など数々の賞を受賞し、2023年2月時点で単行本の累計発行部数は1000万部を突破しています。
※『鉄腕アトム』はロボットの少年・アトムを主人公とした漫画であり、世界中で愛されている「手塚治虫(てづかおさむ)」の代表作の一つ。
※「手塚治虫(てづかおさむ)」は、「漫画の神様」と称される日本の漫画家。
代表作には
・『鉄腕アトム』
・『火の鳥』
・『ブラックジャック』
・『ジャングル大帝』
・『三つ目がとおる』
・『リボンの騎士』
など数々の名作があり、戦後日本におけるストーリー漫画の第一人者として活躍した。
また医師免許をもっていたり、1963年に日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』を制作したのも手塚治虫である。
※「浦沢直樹(うらさわなおき)」は日本の漫画家。
・『20世紀少年』
・『MONSTER』
・『MASTERキートン』
・『YAWARA!』
など数々の代表作を持つ。
あらすじ
人間とロボットが<共生>する時代。
強大なロボットが次々に破壊される事件が起きる。
調査を担当したユーロポールの刑事ロボット・ゲジヒトは犯人の標的が大量破壊兵器となりうる、自分を含めた<7人の世界最高水準のロボット>だと確信する
時を同じくしてロボット法に関わる要人が次々と犠牲となる殺人事件が発生。
<ロボットは人間を傷つけることはできない>にも関わらず、殺人現場には人間の痕跡が全く残っていなかった。
2つの事件の謎を追うゲジヒトは、標的の1人であり、世界最高の人工知能を持つロボット・アトムのもとを訪れる。
「君を見ていると、人間かロボットか識別システムが誤作動を起こしそうになる。」
まるで本物の人間のように感情を表現するアトムと出会い、ゲジヒトにも変化が起きていく。
アニメ「PULUTO」公式サイトより 引用
そして事件を追う2人は世界を破滅へと導く史上最悪の<憎しみの存在>にたどり着くのだった―――。
『PULUTO』の主な登場人物
ゲジヒト
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 藤真秀
本作の主人公。
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、ロボット刑事。
ユーロポール特別捜査官ロボットとして「ドイツ」で数々の難事件を解決し、活躍している。
階級は「警部」。
見た目は30代後半と思われるヨーロッパ系の男性で、頭髪はやや薄毛。
かつては「第39次中央アジア紛争」に「平和維持軍」として参加し、「治安警察部隊」として市街地に潜伏しているテロリストの殲滅にあたる経歴を持つ。
アトム
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 日笠陽子
もうひとりの主人公。
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、人工知能の完成度は「7大ロボット」随一。
嘘がつけたり、ロボットが人間と誤判断してしまうほどの豊かな感受性を持つ。
さらに微細な音も聴ける「優れた聴力」に、両足を変形させて飛び立つ「飛行能力」や「怪力」を持つなど戦闘能力も高い。
性格は感情的な原作(手塚治虫版)アトムとは違い、いつも飄々として冷静沈着。
現在は日本のトーキョーシティーのある家族と一緒に住み、小学校に通っている。
かつては「第39次中央アジア紛争」に平和維持軍として参加し、アイドルのように“平和の使者”として戦地で歓迎を受けた。
モンブラン
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 安元洋貴
「世界最高水準の7大ロボット」の一人。
「スイス」で「森林保護担当官」を務める傍ら、アルプスの「山岳ガイド」や「遭難者の救助」も行っている。
温厚な性格で誰からも愛されるロボットだったが、一連の「7大ロボット連続破壊事件」による最初の被害者となる。
かつては「第39次中央アジア紛争」に平和維持軍として参加し、前線でペルシア軍のロボットを駆逐した経歴を持つ。
ノース2号
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 山寺宏一
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、スコットランドで隠居生活をする盲目の音楽家・ポール・ダンカンの執事として活動していた。
見た目は完全な戦闘用ロボットだが、戦争で仲間を殺し続けたトラウマをもつ。
ダンカンと共に音楽を愛する平穏な日々を送っていたが、「7大ロボット連続破壊事件」における二番目の被害者となる。
かつてはブリテン軍の総司令官アンドリュー・ダグラス将軍の副官として「第39次中央アジア紛争」に参加しており、戦闘において非常に多数の敵国ロボットを破壊した経歴を持つ。
ブランド
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 木内秀信
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、「トルコ」のイスタンブールで格闘技ロボットとして活躍。
「パンクラチオンスーツ」を着て戦うロボット格闘技のチャンピオンであり、不敗神話を築くなど民衆を魅了している。
見た目は30代から40代風のヨーロッパ系の男性で、体格は少しぽっちゃり。
性格は理論的であるはずのロボットでありながら、試合に勝つには「運」が必要と語り、「ラッキーマン」を自称する。
かつては「第39次中央アジア紛争」に平和維持軍として参加し、前線でペルシア軍のロボットを駆逐して”英雄”と称された。
現在は同じロボットである妻と5人の子供を持ち、一家団欒で平穏な生活を送っている。
ヘラクレス
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 小山力也
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、「ギリシャ」で”闘神”の異名を持つ格闘技ロボットとして活躍。
ブランドと同じくパンクラチオンスーツでの試合では負け知らずで、ユーロ連邦・ギリシアの世界王者。
親友であるブランドとは無二のライバルでもあり、過去4度の対戦では無効試合と実力が拮抗し合った。
かつては「第39次中央アジア紛争」に平和維持軍として参加し、前線でペルシア軍のロボットを駆逐した経歴を持つ。
見た目は筋骨隆々の格闘家。
性格はストイックで、自らを「機械」「殺人マシン」と言い切る。
しかし長すぎる戦いの中で「殺意」という感情を知ってしまい、相手にとどめを刺すことを躊躇するようになった。
エプシロン
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 宮野真守
「世界最高水準の7大ロボット」の一人で、太陽の光を利用した光子エネルギーを操るロボット。
見た目は長髪美男子。常に黒い上下服に身を包んでいる。
「この戦いに正義は無い」と言う理由から、「7大ロボット」の中では唯一「第39次中央アジア紛争」への参加を拒否しており、世論から非難を浴びた。
のちに「徴兵拒否」への見せしめとしてペルシア王国へ戦後処理の名目で派遣され、この地で出逢った戦災孤児達を引き取り、現在は「オーストラリア」で一緒に暮らしている。
プルートゥ
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 関俊彦
竜巻を起こしながら登場する謎のロボット。
「7大ロボット連続破壊事件」の犯人とされている。
ウラン
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 鈴木みのり
アトムの妹。
見た目は短めのツインテールをした女の子のロボット。
性格は強気で生意気だが、優しくて繊細な面も持つ。
高性能なセンサーを所持しており、動物や植物から発せられるSOSや、「悲しみ」や「憎しみ」と言った人間の激しい感情の変化をキャッチすることができる。
お茶の水博士
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 古川登志夫
日本の科学省長官。
アトムの管理整備を担当しており、ウランの生みの親でもある。
「ロボットも同じく命を持つもの」という考えを持ち、ロボットに対して深い”いたわり”と”愛情”を抱く優しい性格の持ち主。
元ボラー調査団の一員。
アブラー博士
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 山路和弘
ペルシア王国出身の科学者。
「中央アジア最高の頭脳」と呼ばれる。
天馬博士
出典:Netflix
著作権:Netflix
声 – 津田英三
アトムの生みの親。
元日本科学省長官で、世界的な電子頭脳の権威。
お茶の水博士の前任者に当たる。
交通事故で死亡した息子・トビオの姿を模してアトムを製作するも、自分の思い通りに育たない苛立ちから、アトムをサーカス団へ売りとばした。
『PULUTO』の評価や口コミまとめ
国内最大級のドラマレビューサイト 「Filmarks(フィルマークス)」での評価
「Filmarks(フィルマークス)」では、平均スコア★4.2の高評価を獲得。
(2023年11月現在)
政治的かつ哲学的なストーリーが”重厚”と高評価です。
アメリカの評論サイト「Rotten Tomatoes」での評価
アメリカの評論サイト・「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」でも、観客支持率97%という高スコアを獲得しています。
(配信開始から間もないので、批評家支持率は現在不明。)
(2023年11月現在)
※「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」は、全米の様々な作家協会・映画評論家団体が承認したレビュアーによる各映画のレビュー。
一般人も参加することができ、作品ごとに「批評家支持率」と「観客支持率(一般)」のそれぞれのレビューを集計し、賛否の平均値を点数として掲出されています。
ちなみに名称である「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」とは”腐ったトマト”の意味を持ち、「ひどい演技や演出に怒った観客が腐ったトマトなどの野菜類を舞台へ投げつける」という、映画や小説でよく出てくる表現から名付けられました。
※批評家支持率は「映画評論家」による評価。
細かく審査されており、厳しい評価がされることが多い。
・Freshマーク『Certified Fresh(新鮮保証)』(最高評価)
肯定的レビュー75%以上でいくつかの基準を満たし評価の信頼性がある作品
・赤いトマト『fresh(新鮮)』
肯定的レビュー60%以上
・緑の腐ったトマト『rotten(腐敗)』
肯定的レビュー60%未満
・白黒トマト
まだリリースされてないor評価が少ない
※観客支持率は「一般人」による評価。
面白ければ、だいたい評価が高い。
・満タンポップコーン(最高評価)
星3.5以上が60%以上
・倒れたポップコーン
星3.5以上が60%未満
・白黒ポップコーン
まだリリースされてないor評価が少ない
「だいちん」の評価
”人間”と”ロボット”について考えさせられる作品です。
「人を人たらしめているものは何か?」
「人とロボットの境界線はどこにあるのか?」
「ロボットたちのやさしさ、強さ。」
「人間の弱さ、愚かさ。」
など、手塚先生が考えていた【未来の人間とロボットの関係】を浦沢先生の解釈で描いており、”人間に近づいたロボット”が登場する作品だからこそ、”ロボット”と”人間”の間に生ずる「感情」や「哲学」を考えさせられました。
また浦沢先生の漫画タッチを残したハイクオリティな「アニメーション」と、声優さん達によって命を吹き込まれた「キャラクター」は本当に生きているかのようで、BGMもあいまって最後まで物語に引き込まれますね。
「近年のAIの進化ととともに人間はどのようにロボットと関わっていくのか?」、「これからの未来AIはどうなるのか?」と考える昨今。
この作品は感動と共に1つの可能性を示してくれる名作です。
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